2010年04月04日

大山顕氏の不正について 01

今回から全8回の予定で、大山顕さん(※NHKのTV番組にも出演している著名人)の不正とその後の対応について、記事を掲載したいと思います。

(2012.02.05 追記)
当記事はとても長く、また、読んでいても楽しい内容ではありません。
下記ページに概要をまとめましたので、そちらを御覧になることをお奨めします。
はじめに 背景の概要
それでも、より詳しく知りたいという方は、このまま読み進めてください。

本件を御存じでない方のために、まずは概要を説明いたします。
私が公開していたテトラポッドのペーパークラフトを、大山さんが加工し、「手のりポッド」と名付け、デイリーポータルZというサイトで、私に無断で自作として公開するという出来事がありました。
そして、その記事を見たある方たちが、そのペーパークラフトを編集して型紙に転用し、「テトぐるみ」と名付けたぬいぐるみを製作されました。
「テトぐるみ」の作者の方たちは、大山さんに報告をした上で、「テトぐるみ」の販売とその型紙の公開をし、大山さんはそのことも、デイリーポータルZで記事にされました。
(※誤解のないように断っておきますが、「テトぐるみ」の作者に不正はありません。)
その後、不正は公になり、大山さんが書いた「手のりポッド」「テトぐるみ」に関する2つの記事は、それぞれ以下の謝罪記事へと差し替えられました。
@nifty:デイリーポータルZ:記事「手のりポッド」について
@nifty:デイリーポータルZ:記事「『テトぐるみ』がかわいい」について
なお、差し替えられる前の記事は、以下のように「Internet Archive」で確認することができます。
@nifty:デイリーポータルZ:手のりポッド(Internet Archive)
@nifty:デイリーポータルZ:「テトぐるみ」がかわいい(Internet Archive)

上記の謝罪記事を御覧になった方の多くは、一応の解決をしたものだと判断したと思います。
しかし実際には、御互いが納得した上で掲載された謝罪記事ではありませんでした。
表面化されることは結果だけで、その経緯は見えません。
上手く伝えることができず、私も断片的にしかこのことに触れてきませんでした。
今回の記事では、今に至るまでの経緯を時系列に沿って記すことで、皆さんにも私の身に起きたこと追体験していただきたいと思います。
そうすることでしか、私の思いや考えを伝えることは難しいと思いますし、私自身もやっと本件に区切りを付けられるように思うからです。

今回、あまりにも長大な文章になることがわかりましたので、記事を分割することにしましたが、それらを合わせて1つの記事だと考えています。
そのため、当記事のコメント欄は、最後の記事が掲載されるまで、受け付けない設定にします。
大山さんは、私にも大山さんに謝罪すべきことがあると考えておられるのですが、そのことは後半になって触れられることになります。
ですから、途中の段階で評価されるということは、公正ではないと考えるからでもあります。
できるだけ短期間に記事を書き上げたいと思いますので、記事を読まれる方は、全てに目を通していただくことを御願いいたします。
また、当記事はあくまでも私の視点から見たもので、真相は違う部分もあるのかもしれません。
その「私にすら真相がわからない。」という事実を踏まえた上で、記事を御読みください。
前置きが長くなりましたが、以下に、本件の経緯を記載いたします。


■ 2006年11月15日
この日、私は下記画像のようなテトラポッドのペーパークラフトを公開しました。

テトラポッドのペーパークラフト

あるサイトの掲示板上で、「テトラポッドのペーパークラフトがほしい。」といった発言をされた方がおられ、それに応えるかたちで製作し、その掲示板上で公開したものです。
ペーパークラフト以外の用途でも使えるように、拡大縮小に対応させるため、ベクターイメージで公開できるpdfファイルを選びました。
私自身も型紙を流用し、スチレンボード等で模型を製作しました。
下記のリンクから、当時公開したファイルをダウンロードできるようにしておきます。
tetrapod_old.pdf
(※修正版と区別しやすいように、公開当時のものからファイル名を変更しています。)

■ 2008年2月15日
大山さんが「手のりポッド」の記事をデイリーポータルZで公開されました。

■ 8月
たまたま、大山さんの「手のりポッド」の記事を発見しました。
記事中の、大山さんが試作したという、面取り部分が省略されていないペーパークラフト(画像1画像2)は、まさに私が公開していたペーパークラフトそのものです。
不正などするとは思いませんから、私のペーパークラフトはあくまでも参考にされただけで、最終的に公開された「手のりポッド」のpdfファイルは、一から御自身で作ったものだと思いました。
先ほどの掲示板でも、大山さんの「手のりポッド」の記事を紹介しました。

■ 9月頃
「手のりポッド」が、私の製作したものを加工して作られていることに気付きました。
実は、記事を発見して以来、ずっと何か引っかかるものを感じていたのです。
誰が作ってもよく似た形になるはずですが、それでも自分が作ったものはわかるようです。
素人が半日で作図できたということも、疑問を感じていました。
それでも、私が大山さんの記事を読んだことは、8月に掲示板に書きこんでいましたから、大山さんもその書き込みを見て、きっと事後報告してきてくれるだろうと期待していました。
前述のように、ペーパークラフトに限らずいろんな形で利用して欲しいと思っていたので、大山さんを介して、多くの人の手に触れることについてはいいことだと思ったのです。
私は、大山さんの行為は引用の範囲を超えていると判断しましたが、大山さんは範囲内と判断されたのだろうと思っていました。
タモリ倶楽部出演された回を見ましたので、親しみを感じていた部分もあったかもしれません。
私も、ものを作る人に悪い人はいないと思っていましたから、大山さんを信じたいと思いました。

■ 12月頃
ペーパークラフトの公開に利用していたYahoo!ブリーフケースの有料化に伴い、この頃に公開を中止しました。

■ 2009年1月30日
大山さんが「テトぐるみ」の記事をデイリーポータルZで公開されました。

■ 2月頃
「テトぐるみ」の記事の存在に私が気付いたのは、この頃だったと思います。
腹立たしい気持ちもあり、写真だけを見て、冒頭の文章以外はろくに読まずにいました。
それでも、ペーパークラフトから新たなものを作り出してくれたこと、「テトぐるみ」という作品自体はすばらしいと思いました。

■ 4月
誰かのブログで「テトぐるみ」の価格の記載を見て、販売もされていることを知りました。
それまで、「テトぐるみ」の型紙と作り方が公開されているだけだと思っていたのですが、さすがにこれはおかしいと思いました。
ペーパークラフトの型紙の製作という仕事もあるでしょうし、ぬいぐるみについても同様でしょう。
大山さんが好きな建築や土木においても、図面の作成は大切な仕事のはずです。
大山さんがされたことは、そういった仕事を侮辱する行為だと思います。
著作権とか盗作とか、難しいことはよくわかりません。
ただ、単純な気持ちとして、断りもなく他人の行為を自分の手柄とし、そこから利益を得るということを、これ以上許していいとは思えませんでした。
「手のりポッド」のpdfファイルをdxfファイル(※CADソフトで使うファイル形式)に変換し、CAD上で2つのデータを検証したところ、偶然のありえない精度で2つは一致しました。
2008年9月には、大山さんの不正を「確信」していましたが、この時点でほぼ「確認」できました。

ここで、「手のりポッド」が、私の製作したペーパークラフトを加工して作られたものだとわかる、簡単な確認方法を書いておきます。
まず、「手のりポッド(Internet Archive)」と私の製作したペーパークラフトをローカルに保存し、アドビリーダー(フリーウェア)で、それぞれ「163%」「99.5%」の大きさに表示します。
縮尺の違う2つのペーパークラフトが、この倍率にするとほぼ同じサイズで表示されます。
画面に表示される「手のりポッド」をキャプチャして、コントラストを強調し、赤くしたのが以下の画像です。
(※レイアウトの関係上、画像は縮小されています。クリックで等倍に表示されます。以下同じ。)

手のりポッド

私の製作したペーパークラフトをキャプチャして、同様に青くしたのが以下の画像です。
(※アドビリーダー上で回転させ、向きを合わせています。)

オリジナル

この2つを合成すると、以下のように重なります。

手のりポッド+オリジナル

コウモリ形をした部分だけでなく、本質的に関係の無いはずの「のりしろ」の形状まで合致していることより、この2つが同一のデータから作られていることが確認出来たと思います。
大山さんオリジナルの糊を使わない接合方法の部分も、私が作成したデータののりしろの線を延長して作成されたようです。

今回は、以上です。
次回、「大山顕氏の不正について 02」に続きます。
posted by Mcguffin at 23:58 | TrackBack(0) | 不正について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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