また、「テトぐるみ(※Internet Archive)」は、その「手のりポッド」を型紙に転用して作られたぬいぐるみです。
詳細は、下記ページやそのリンク先などを御覧ください。
「工場萌え」で有名な大山顕氏が「デイリーポータルZ」で謝罪、... - GIGAZINE
(※ただし、上記の記事が全て正しいわけではありません。)
いろいろと誤解されていることもあるようですので、今回は、私自身の「手のりポッド」「テトぐるみ」についての考えを記したいと思います。
つい先日、「テトぐるみ」の作者の御一人と、電話で御話しする機会がありました。
大山さんからは、「テトぐるみ」を製作された御二人は、大山さんの不正を知らされていなかったと説明を受けていましたが、正直申しまして、どうしても信じきることができずにいました。
御二人が疑わしいということではなく、これまでの経緯を考えると、大山さんの話はまったく信用性がなく、根拠にならなかったのです。
しかし、実際に作者の御一人と話してみて、御二人が大山さんの不正について、本当に何も知らされてなかったのだと実感することができました。
私と同様の疑念を抱いていた方もいたかもしれませんが、はっきりと申します。
「テトぐるみ」の作者御二人に不正はありません。
その上で行き着いた結論は、「テトぐるみ」は作者御二人のオリジナルだということでした。
電話での会話の中で、「私の知っていることは全て答えますので、いくらでも質問してください。」と仰ってくださいました。
私もはじめは疑いながら質問してましたが、その全ての疑問に矛盾なく説明していただきました。
そして、謝るべき事には素直に謝ってくださいました。
質問していて気付いたのは、御二人が大山さんからちゃんとした説明を受けていないということでした。
質問している私が逆に説明する場面もあり、やっと状況がつかめたこともあったようでした。
実は、これは私も同じことで、大山さんの説明には矛盾することがあり、それを指摘して質問しているのですが、答えをいただいておりません。
それだけに、御二人が不正を知らずにいたということが、事実として実感できたのです。
「テトぐるみ(※Internet Archive)」の記事や、トロステーションでの動画を御覧になった方は、「テトぐるみ」は大山さんを加えた三人で創られたと思われていることでしょう。
私もそう思っていました。
記事中では、途中から作者視点の一人称の文章に変わり、筆者である大山さんも作者の一人であると解釈されかねない文章構造になっています。
だから100個作った。動画の中では、はっきりと作者として大山さんが紹介されています。
カッとなってやった。後悔はしていない。と思う。でも100個となるとたいへんなのだよ、作るの!ほんとに!好きで勝手に作っておいてこんな強調するのもなんですが!
そこが気になっていたので質問したのですが、大山さんは「テトぐるみ」の製作には直接関わっておらず、大山さんの「手のりポッド」を型紙に転用しただけだということが確認できました。
トロステーションの動画(3:00あたり)の中で、大山さんは以下のような発言をしています。
テトラのペーパークラフトを作ってみたんですまるで三人の会話の中から「テトぐるみ」のアイデアが生まれたかのような表現をされていますが、「消波ブロックのぬいぐるみ」というアイデアは、作者の御一人が以前から温めていたもので、2007年6月にWeb上にそのアイデアを書き込んでいたのを、私は知っています。
そして、みんなが作ってくれたらいいなと思い
その型紙をネットで公開したんですよ
(中略)
そして、このテトラの型紙を通じてステキな話が生まれたんです
ドボクを愛好する友人の○○さんと□□さんという方と話していた時に
テトラでクッションを作ったらおもしろいんじゃないかという話になったんですよ
(中略)
このとき「チームテトラ」が結成されました
大山さんの「手のりポッド(※Internet Archive)」の記事が2008年2月ですので、それよりも以前のことです。
「テトぐるみ」は「手のりポッド」の型紙を転用することで実現することができましたが、あくまでもアイデアが先行していました。
試作や材料の選定、業者の決定も御二人でされました。
大山さんには、「手のりポッド」を型紙に利用したことを、試作を見せて報告されたそうです。
そして、インテリアショップで撮影する段階で、写真家でもある大山さんに撮影を御願いしたところ、デイリーポータルZでの紹介の提案を受けたそうです。
では、「テトぐるみ」の型紙に、私のペーパークラフトには無い、大山さんのオリジナルの要素があったのでしょうか?
たしかに、「手のりポッド」の接合方法については、大山さんのオリジナルの要素がありました。
しかし、「テトぐるみ」の型紙は、「手のりポッド」ののりしろ部分を排除して作られたものです。
型紙の内、コウモリ形の部分は私が作図したものですし、円形部分はコウモリ形の円弧部分の長さから自動的に求まる大きさなのです。
私のペーパークラフトを元にしていたとしても、同じ答えに行き着いたことでしょう。
私は、「テトぐるみ」の型紙に、大山さんのオリジナルの要素は無いと判断しています。
「テトぐるみ」は御二人の作品であって、結果として私は間接的に御手伝いした、というのが正しい表現ではないでしょうか。
御二人は、本当にただ消波ブロックが好きで、「テトぐるみ」を創られました。
「ぬいぐるみなら、ぶつかっても痛くないし、身近に感じてもらえる。」「コンクリートで作っている人(※おそらく、この商品のことだと思います。)がいるのは知っていたので、他の人と同じことはしたくなかった。」そんなことを仰っていました。
そして、GIGAZINEの記事のことを話し、「"盗作"なんて呼ばれるようなことを、私たちはしていたのだろうか。」と嘆かれていました。
後述しますが、読者が「手のりポッド」を組み立てたり、「手のりポッド」から新たな創作を生み出すということを、私はそもそも問題にしていませんでした。
「テトぐるみ」が盗作と見なされているのは、その製作に、「手のりポッド」を自作として公開していた大山さんも関わっていると思われているからです。
御二人も、「手のりポッド」は大山さんが創られたと思っていましたから、「テトぐるみ」を「三人の作品」とされることに異論はなかったのでしょう。
結果として、大山さんは「テトぐるみ」の作者のフリをしていただけで、それは、私のペーパークラフトに対するものと同様の行為です。
大山さんが本当にすべきことは、御二人と私を引き合わせることだったと思います。
私は、大山さんと話を進めていく中で、確信こそできませんでしたが、御二人に不正が無いと感じるようになりました。
そして、大山さんとの話し合いが解決した際には、御二人に型紙の配布を正式に許可しようと考えるようになりました。
実際、話し合いはまだ解決していませんが、これ以上御二人に迷惑をかけられないと、今回の電話よりも以前、2009年11月に、メールで御二人にそういった提案をさせていただきました。
今回、電話で直接御話させていただき、そのひととなりを知り、改めて、御二人が「テトぐるみ」の型紙を配布することを、過去にさかのぼって許可したいと思います。
ただし、これは御二人に許可するという意味で、大山さんが私に無断で御二人に許可をしたことを許す、という意味ではありません。
問題のある行動をしたのは大山さんであって、御二人はその大山さんに対して、ちゃんと報告をされていました。
当時、もし私が同様の報告を受けていたら、やはり御二人に配布を許可していたと思います。
御二人が創られた「テトぐるみ」という作品自体は、盗作と呼ばれるようなものではないと、私は判断しています。
大山さんが「手のりポッド」の記事を書いたのが2008年2月、「テトぐるみ」の記事を書いたのが2009年1月でしたが、実は、2008年9月頃には既に、大山さんの不正に気づいていました。
それでもあえて抗議などしなかったのは、元々他の方にも楽しんでもらいたくて公開していたもので、私が作ったことをアピールしたいとも思いませんでしたし、大山さんが取り上げてくれたおかげで多くの人の手に触れるのなら、それでもいいかと当時は思っていたからです。
厄介ごとに関わりたくないという思いもありました。
「テトぐるみ」の記事を見たときも、大山さんの言動に呆れ、滑稽で哀れにすら感じましたが、「テトぐるみ」自体は素晴らしいと思いました。
腹立たしく思いながらも、読者がペーパークラフトを組み立てて楽しんだり、そこから新たな創作が生まれたことは、私自身が望むことでもあったのです。
後日、「テトぐるみ」が販売されていることを知り、大山さんの非礼に対し、さすがに限度を超えていると思い、デイリーポータルZに連絡をしました。
断っておきますが、大山さんはいつでも私に連絡することができたはずですし、そうやって連絡してくる人には、協力することもできたのです。
未だに、大山さんがなぜあんな愚かなことをしたのか理解できません。
デイリーポータルZに連絡をしたのも、そもそもは大山さんを許すためのことでした。
私は、大山さんが書かれた記事を削除して欲しいとは思いませんでした。
「手のりポッド」や「テトぐるみ」を読者から取り上げるようなことはしたくなかったからです。
私自身はネットの片隅で楽しんでいたかったので、大山さんがちゃんと反省をしてくれれば、表向きは大山さんの作品として記事を継続してもいいとすら思っていました。
こんなことで、大山さんの経歴に傷をつけることはないとも思っていました。
ひとこと素直に謝って欲しいというのが、当初の私の願いでした。
ただ、「テトぐるみ」で得た利益についてのみ、放棄してもらえればよかったのです。
その期待はすぐに裏切られ、はじめの段階で、大山さんは不正を否定されました。
後で説明されたことですが、「手のりポッド」は御自身が創ったものだと思い込んでいたそうです。
私は未だにその説明を信じることができません。
その後も、掲載を継続するために交渉を続けたのですが、結局記事が削除されてしまったのは、大山さんがちゃんと反省していると確認することができなかったからです。
デイリーポータルZも、これ以上問題のある記事を掲載しておくわけにはいきませんでした。
一度は解決に向っていましたので、なぜそれが覆されたのか、大山さんは未だに理解されていないのかもしれません。
大山さんには、自ら告白し謝るべき事がまだ残っていると、私は考えています。
結局、大山さんにとっては、記事が削除されたのはよかったのかもしれません。
御自身が労せず書いた記事で思い入れも無いでしょうし、今となっては闇に葬りたいことでしょう。
私は、友人の創作を台無しにしておいて、反省もせずに平気でいる大山さんを許すことができません。
ブログ等に、御自身が作られた「手のりポッド」や「テトぐるみ」を掲載されていた方の中には、今回の件の発覚後、掲載を継続していいのか判断に困っている方や、既に記事を削除された方もいたようです。
大山さんの記事が削除されたこともあって、私がそれらの掲載を望んでいないかのような誤解を与えてしまっていたかもしれません。
前述の通り、大山さんの記事が削除されたのは、私が希望したことではありません。
むしろ、大山さん御本人以上に、掲載の継続を願っていたのかもしれません。
だからこそ、「手のりポッド」の代用を公開したりもしたのです。
大山さんがされたことを許すことはできませんが、読者の方が、間接的にせよ、私のペーパークラフトを楽しみ、新たな展開をしてくださったことを、私は今でもよかったと思っています。
「テトぐるみ」もそういった展開の1つでした。
「テトぐるみ」を購入された方の中には、今回の件で嫌な思いをされた方もいたかと思います。
しかし、「テトぐるみ」を実際に製作された御二人に不正はありませんでした。
「テトぐるみ」は、汚れた手で創られたものではありません。
みなさんには今まで通り、「手のりポッド」「テトぐるみ」を楽しんでほしいと思います。
ただ、「手のりポッド」や「テトぐるみ」をブログ等で取り上げた方に御願いしたいことがあります。
残念ながら、大山さんが不正をされていたことは、「手のりポッド」や「テトぐるみ」自体ほどは知られておらず、今でも大山さんが創られたものだと思っている方がたくさんおられるようです。
これは、私にとっては耐え難いことですし、「手のりポッド」「テトぐるみ」を楽しんでくださった方を騙しているということだと思います。
「手のりポッド」「テトぐるみ」を取り上げた記事に、簡単な説明とともに当記事へのリンクを張っていただいて、この問題を少しでも多くの方に知らせる手助けをしていただけないでしょうか。
また、「手のりポッド」「テトぐるみ」の記事内に、大山さんの書籍等の広告を貼っている方もいるかと思いますが、「手のりポッド」「テトぐるみ」を大山さんの宣伝に利用されるということは、やはり屈辱的なことでもありますので、他の広告に変更していただけるとありがたいです。
勝手な御願いかとは思いますが、ぜひ、よろしくお願いいたします。
今回の件で、私にも反省すべき点がありました。
特に、大山さんの不正に気付きながら見逃していたことは、深く反省し、後悔しています。
もっと早くに抗議していれば、「テトぐるみ」の作者御二人に御迷惑をかけることも無かったかと思いますし、「テトぐるみ」はまた違う展開をしていたのかもしれません。
大山さんにとっても、その方がよかったでしょう。
もちろん、本質的な問題は、大山さんのされた行為にあります。
大山さんに、他人の創作に敬意を払えと言ったがために、御二人の創作を制限するような結果になってしまいました。
それは、私にとっても辛いことでした。
デイリーポータルZに連絡してから、ずっとその葛藤の中にいます。
おかしな話に聞こえるかもしれませんが、「テトぐるみ」を胸を張って公開できなくなった御二人と、大山さんの不正を我慢していたときの私自身が、私には重なって思えてしまいました。
だからこそ、何度も許そうと試みたのですが、そのたびに期待を裏切られました。
「仮想ブロック」を立ち上げたのは、そんな反省もあってのことです。
(※この記事は、「仮想ブロック」に掲載されていたものを、当ブログに移転したものです。)
元々目立ちたくなかったので、デイリーポータルZには匿名を御願いしたのですが、そういった消極的な姿勢が、大山さんを付け上がらせたのだと思います。
もし、あなたが私と同じような立場になったら、黙っていないで抗議して欲しいと思います。
「手のりポッド」「テトぐるみ」で得た利益については、私も含めて誰も利益を得ないかたちで処理して欲しいという要望を出し、暗に寄付するように誘導しました。
その上で、海の安全を守るような活動に寄付することを提案しましたが、最終的には御自身で決めていただくようにお願いしました。(※私にも寄付先は知らされていません。)
強制すると、寄付が寄付ではなくなると考えたからです。
利益の処理方法については、私も同意していますので、誤解の無いようにお願いいたします。
(2011.02.11 追記)
「テトぐるみ」の販売は長く中止されていましたが、この度、再開することになりました。
詳しくは、下記記事を御覧ください。
「テトぐるみ」の販売再開のお知らせ
(2011.05.21 追記)
メーカー様の御配慮により「テトぐるみ」の販売が再開され、型紙原型を製作した私にも利益が発生することとなりました。
以前はオリジナルへの敬意を示す意味もあり、「テトぐるみ」の元となった消波ブロックの名称を明記しておりましたが、私自身の立場の変化により、そのことが消波ブロックの名称を利用していることにもなっていました。
この点について、メーカー様と相談した上で、「テトぐるみ」を説明する際には具体的な名称を記載しない形で記述することにしました。
「テトぐるみ」はそもそもがオリジナルへの敬意のもとに生まれたものであり、その製作に関わった者の想いは今も変わりません。
●関連記事
「大山さんが自ら告白し謝るべき事」など、当記事では伏せた事柄については、下記ページを御覧ください。(※一部、当記事と内容が重複しております。)
はじめに 背景の概要
より詳しく知りたい方は、下記ページを御覧ください。(※長文で、楽しい内容ではありません。)
大山顕氏の不正について
記事中のペーパークラフトやぬいぐるみの型紙は、下記ページで公開しています。
工作|仮想ブロック:消波ブロックのWeb3D